絶望の瞬間と新しい可能性

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そういって、翼は病室をあとにして、病室には私1人だけになった。 翼が、あんなこというから。 危うく、目から涙が溢れてきそうになっちゃったじゃん。 でも、翼のおかげでわかった。ていうより、思い出した。 たとえバスケが苦しい状況を生んだとしても。 たとえバスケが原因で自分が怪我してできなくなっちゃうかも知れなくても。 私は、バスケが大好きなんだ。 〝勝つ〟ってことに固執しすぎて、お母さんにいいところを見せたいって思いすぎてて、 すっかり忘れていたかもしれない。 まだ部活に入って半年も経っていないのに。 ――――――― ――――― ――― それから1ヶ月後、私は無事退院することが出来た。 まだまだ膝の治療はしていかなくちゃいけないし、本気でバスケが出来るわけでもないけど。 いつ、バスケが出来るようになるのか、楽しみですごく、待ち遠しい。
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