絶望の瞬間と新しい可能性

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バスケがしたい。 バスケがしたい。 日に日に強くなる思いは、どんどんと私の中に留まっていく。 でも、私の心とは反対に、身体は言うことを聞かず、一向に膝は動いてはくれなかった。 「バスケ、したいなぁー……」 足を動かさないように安静にしているため、私は自分のベッドに座りながら呟いた。 言わないようにしてたんだけど、やっぱり、やりたいことって口に出しちゃうんだよなぁ。 そして、丁度この頃、太陽がバスケを始め、男子バスケ部に入部した。 私の初めての試合の時から太陽がバスケに興味を持ってたのは知ってたけど、まさか入部するとは思わなかったな。 「おーい、天!今からドリブルの練習するから付き合ってくれないか?」 「うん、いいよ」 太陽がバスケを始めてから、時々私が太陽に指導したりしてるんだ。 でも、ドリブルとかハンドリングを練習するには、外にでなくちゃいけないから、いろいろと大変なんだよね。 膝は固定してあるから動かない上、少しでも動かしたら痛いから動かせないし。
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