赤い糸が絡まる、だなんてベタな

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「起きます」 こんにちはこんにちはこんにちは 眩しい太陽が窓側の前から3番目の席を照らす。そう、私の席だ。眩しくてムカついたので近くにあるカーテンをシャッと閉める。 声を出して夢から覚めたわけだから、前の席の子に不思議そうな顔をされた。 「ゆーちゃん大丈夫?」 「ん、おうおう大丈夫。眠かっただけだし…。もう帰れるよ!」 「ゆーちゃん今日は初めての委員会じゃない?」 「OH……しっと」 頭を抱えると前の席の子はクスクスと上品に笑った。 彼女は私をゆーちゃんと呼ぶ。 自己紹介で名前を言わなかったのは色々理由がある。でもまぁ先生は名簿にある私の名前を知っているから、呼ぶわけだ。 あぁ、これで最初に言ったことが嘘だってばれたぞ☆ 「結城、」 と。 「何ですか先生。また寝てたんですか」 「それはお前だろ…いいから委員会行け」 「HRは?」 「図書委員は今日早いんだとよ」 「ラッキー!!んじゃお先にーばいばいきーん」 古ッ、と言われた気がしたが無視をして教室から出る。入学当初は訳が分からず軽く迷子になったのは…今忘れた。そんな過去はない。うん。 綺麗、に見える階段を下がる訳でもなく通り過ぎて、教室と同じ階にある図書室へ向かった。 .
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