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ていうかちょっと待って！
さっき誰かが歓声の中であいつの事、『部長』って言わなかった？
『嘘っ、松本部長よ』
確かにさっき誰かがそう騒いでいた。
ルックスは…
資料室でも思ったけど、普通にかっこいい。
栞は言っていた。
うちの部長は優しくてイケメンだって。
…うん、確かに優しいよね。
私も優しくされたし。
だけど少し意地悪かも…
…てことはまさか！？
あの人が企画部の部長！？
私が憧れていた、企画部の？
う…そ…。
私はあまりの驚きに、持っていたコピー仕立ての広告をバラバラと落としてしまった。
「ちょっと、何やってんの？次使うからどいてよ。」
そんな私を冷たい目で睨み、落ちた広告を拾ってもくれないのは、いつも私にちょっとした嫌がらせをしてくる仲原優衣。
私より二つ年上の先輩なんだけど、本当に性格悪い。
言葉に刺があるし、あからさまに私を嫌ってるし。
ま、私も嫌いだけど…
態度には出さないけどね。
「あ、すいません。」
少し気まずいように愛想笑いを向けてから落ちた広告を拾おうとしゃがむ。
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