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「ハァ、ハァ…っ」
資料室のドアの前で荒い呼吸を必死に整えてから、本日二回目の埃っぽい資料室に足を踏み入れた。
「去年の春。去年の春の会議録っと…」
もう間違えないようにと、呪文のように唱えながら棚を隈無く探す。
…あった。
しかもあんな高い所に…。
身長155㎝の私の頭上に見えた『平成二十二年春』の文字。
明らかに届かないが、今はそんな事言ってこれ以上時間をかけられない。
部長がご立腹だから…
だけどどんなに手を伸ばしても届かなくて…
代わりに必要の無いファイルやら本に触れてしまい…
「キャー!」
私の悲鳴と同時にドサドサと頭にクリーンヒット…
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