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そういえばさっきの男…
ムカついたけどかなりイケメンだったよね。
でもまさか、そんな事あるはずが無い。
一瞬ときめいたけど、あんな尺に触るような男が、私の憧れていた部署の部長だなんてありえないもんっ。
よしっ、切り替え完了!
「遅くなってすいませんでした!」
窓側のディスクで資料に目を通している部長に声をかけ、私は先ほどのミスも含めて再び頭を下げた。
「随分と時間がかかったのね。何処まで行ってたのかしら?」
「すみません。資料を取るのに手間取ってしまって…」
「あぁ、あなた小さいから大変だものね。」
うわ、本当に嫌味な人…
絶対に上に立つような器の人じゃない。
そう思いながらも軽く流して自分のディスクに戻る。
ミスした私が一番悪いけど、身長の事を言われる筋合いはありません!
なんて、実際言えたらどんなに楽なんだろう…
我慢する事ばっかりで毎日嫌になる。
ここが希望した部署なら今と少しは違ったのかな…
栞と一緒にイケメン部長の下で働きたい。
こんな子供のようなわがままを心の中で呟きながら、私は次の営業先へ渡す広告をコピーしようとしていた。
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