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するとメイドさんは、
「はい。それは…浦野 のぞみ様と…私がお仕えする貴族…『紅宮家』双方の未来に大変大きな意を持つ…重要なお話なのです…。」
…と、真剣な顔で淡々と、僕に話した。メイドさんには、僕をおこしてくれたときの面影はなかった。使命を達成する為に暗躍する、まるで忍者のような気迫が、メイドさんを包みこんでいた。
それは、恐怖というよりも、僕は自分への熱意として、少なからず感じ取った。
さらに、
「ちなみに…もうのぞみ様のお父様お母様はこの事をご承知されています。あとはのぞみ様自身が、私と共に『紅宮家』に来ていただくのみですわ…。」
と、付け加えた。
僕は、お父さんとお母さんが知っていながら僕に何も教えてくれなかった事に、少し苛立ちを覚えながら、
「わ…わかりました。でしたら少し準備をしたいので…家の外で待っていていただけますか…?」
と答えた。
メイドさんは、軽く頷いて部屋から出ていった。
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