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彼には言わなかったけど
先生とかには、
総合病院に行かなきゃならないって言われた
薄々感づいてたけど、
彼は不思議過ぎるんだ
名前がわからないって
そもそもがおかしい
僕が出会う前に、彼に何かがあった‥ってことだ
熱が引いてからだけど病院に連れて行かなきゃ‥
「‥みや‥び」
「え?」
ぴくっと指先が動いて
そのまま閉じた瞼から零れた雫
初めてみた彼の涙
車を停めて彼の瞼をそっとなぞる
「‥閏‥」
彼は苦しくて辛い過去がある
僕が助けてあげないと
‥記憶が戻る、その時まで
.
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