第二十三章

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蒼空は急ぐように 走って行った… その頃… 山南の部屋では… ――――――――― ――――――――――――… 「どうして、脱走を…っ」 近藤は先程の蒼空のように 拳を強く握りしめていた。 否、近藤だけではないが。 山南は近藤の問いに困ったように言った。 「理由は…局中法度の厳しさの実感が薄れてきている… これではいつか隊は切腹する人で溢れかえってしまいます。 ですから、副長の私が規律を破り切腹をして見せしめるのですよ。 それに… …私は新撰組が大好きです。 だから悔やんでません。 新撰組の為に私は死ねる… 此ほど本望な事はありませんよ。」 先程、蒼空達に言ったように 同じような事を土方達に言った。 「…そうか…っ」 土方は悔しそうに… 何より悲しそうにそう返した。 「山南、儂だ。 入るぞ。」 ・
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