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蒼空は急ぐように
走って行った…
その頃…
山南の部屋では…
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――――――――――――…
「どうして、脱走を…っ」
近藤は先程の蒼空のように
拳を強く握りしめていた。
否、近藤だけではないが。
山南は近藤の問いに困ったように言った。
「理由は…局中法度の厳しさの実感が薄れてきている…
これではいつか隊は切腹する人で溢れかえってしまいます。
ですから、副長の私が規律を破り切腹をして見せしめるのですよ。
それに…
…私は新撰組が大好きです。
だから悔やんでません。
新撰組の為に私は死ねる…
此ほど本望な事はありませんよ。」
先程、蒼空達に言ったように
同じような事を土方達に言った。
「…そうか…っ」
土方は悔しそうに…
何より悲しそうにそう返した。
「山南、儂だ。
入るぞ。」
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