出会い

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そこがどのような世界かは物心ついた時からずっと見て来たので分かっていた。 でもどんな歴史の本を見てもその国も大陸も載っていない。 触れることの出来ない世界。 触れることの出来ない少女。 しかし、毎夜見る少女はどこまでも美しかった。またどこまでも美しい歌声だった。多分その少女は自分のことを知らない。でも真白は夜、夢の中でしか会えないその少女が大好きだった。その透き通るような声も。自分もあんな風に歌えたらいいのに。 不意にその少女が振り向いた。肩までの茶色い柔らかそうな髪が揺れる。緑がかった茶色の神秘的な瞳がこちらを向く。真白はどぎまぎした。少女、花京姫と
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