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「まさか、社長がこの中に?」
「いや、それはさすがに無いと思いますけど、さっきはこんなだったかな?」
江坂はそう応えながらも首を傾げると、その破れを抜け、工事現場へと足を踏み入れた。
途中で放置されたと云う事もあり、周囲は薄暗く、あまり気味の良い場所では無かった。それでも二人は、雪のかすかな照り返しを目印に、勇気を奮い起こして足を進める。
ついさっきまで降り続けていた雪が、その場所に真っ白な世界を生み出し、かすかに光を反射している。
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