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二人はほとんど会話も無く歩く。そしてしばらくも行かない内に、二人は足跡も無い白一色の世界の真ん中でうつ伏せに倒れている黒い背広を着た男性の姿を発見した。
「社長!」
江坂は大声を上げながらその男性に駆け寄った。そして、上半身を抱き起こす。その拍子に、彼の上に被さっていた雪が滑り落ちた。
「中山さん、救急車を!」
江坂は中山に向かって叫ぶ。抱き起こされた男性の胸からは血が流れ出し、上着を赤く染めていた。
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