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「問題のビルはあちらになります」
背広の男が、現場から見えているビルを指さす。
「随分と近いな」
「ええ。直線距離で十メートルくらいでしょうね。現場の状況から考えるに、被害者はビルを向いた状態で射殺されたことになります」
「凶器は?」
「まだ見つかっていません。ただ、傷口の様子から二十二口径の小銃であろうとは思われますが」
背広の男がそう報告していると、
「夏木警部、芦浦刑事、いま、凶器と思われる拳銃を発見しました」
制服を着た警官がその様な報告を持ってきた。
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