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「ははは、その気持ち、分からなくも無いですね」
お互いに男やもめな二人にとって、それは共感出来る感覚だったのだろう、お互いに声を挙げて笑った。
「本当は、七時までに戻ろうと思ったんですよ。セキュリティを解除するのが面倒だから。まあ、間に合いませんでしたが」
江坂の言葉に中山は納得した。システム変更に伴い、このビルの扉は七時を過ぎると、自然にセキュリティーが掛かるようになっていた。外から中に入るためには各テナントに配布されているセキュリティーカードを使わなければいけないようになっていた。
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