雪に響く銃声の問題

雪の降る夜の問題

　現状はまだ、不慣れな人も多く、七時よりも前にカードを持たず外に出、戻ってきた時には七時を過ぎ、中には入れないという事例も多発してはいたが、今のところは、中山が対処していた。ただ、正式稼働の一週間後には六時以降、カードが無ければ扉を開けることができないように設定を変える事になっており、この時期は完全な慣らし期間だった。
「ところで、社長さんは？」
「たばこですよ。医者にも止められているんだから、止めれば良いのに、切れたからと言ってコンビニに」
　江坂は困った者だ、とでも言いたげにため息を吐くと、では、早く帰るためにがんばってきますよ、と中山に告げ、階段を上がろうとする。