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「ああ、ちょっと、ちょっと」
江坂を中山が呼び止める。
「はい?」
「セキュリティーを解除しないと、警報が鳴ってしまいますよ」
中山が指摘すると、江坂は驚きの表情を浮かべ、
「ああ、そうでしたね、危ない、危ない」と引き返してくる。
「しかし、このおかげで中山さんの仕事も楽になるでしょう?」
端末を操作しながら江坂が話しかける。
「ええ。その分、勤務時間が六時までになって、給料は減ってしまうんですけどね。家があまり好きでは無い私にとっては大問題ですよ」
中山は内心の思いを隠すように笑顔で応えた。
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