壱之章

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部屋に着くと先ほどの旦那は芸者達と酒を湯水の如く飲んでいた。 遊女を呼んだからといってすぐに抱けるわけではないのだ いつ、誰が、決めたわけではないのだが【昔からの仕来たり】というものがある。 初会、遊女は客と離れたところに座り、客と口を利かず飲食もしない。この時客は品定めをされ、遊女にふさわしくないと思われたらその遊女とは付き合うことができなかった。客はたくさんの芸者を呼び、派手に遊ぶことで財力を示す必要があった。 裏つまり二回目には、少し近くに寄ってくれるものの、基本的には初会と同じ・・・ここで諦める人も多かった、それでも抱きたいのが男の性である・・・狙った獲物は逃さない。そう狼や蛇のように・・・ 三回目にようやく馴染みになり、自分の名前の入った膳と箸が用意される。このとき、ご祝儀として馴染み金を支払わなければならなかった。通常は三回目でようやく床入れ出来るようになった 馴染みになると、客が他の遊女に通うのは浮気とみなされる。他の遊女に通ったことがわかると、遊女は客を吉原大門のあたりで捕らえ、茶屋に苦情を言った。客は金を支払って詫びを入れたという。 遊女には馴染みの客が何人もいるため、時には指名がかち合うこともある。その際は代わりに新造(妹女郎)が相手をするが、新造とは床入れ出来ない。一方で、通常の揚代金を取られることになる・・・ 作者の勝手な意見ですが取られるのが嫌だから身請け話というものがあったのかな と思います(笑)
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