プロローグ・鏡の戯言

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「ウ……?」  幾重にも、周り一面に写る、写る、写る。 「嫌ダ……。」 幾重にも重なり、写る。 「コッチ、見ナイデ……。」 何重にも写る化けモノが見てくる。長すぎる白髪に血走った赤い目の化けモノが、ずっとこっちを見てくる。 「嫌ダ、コッチ、見ナイデ……。」 果てしない恐怖を感じる。化けモノが小さく震えて、その瞳から一滴何かが溢れる。 「怖イ。」 何故このような場所に自分はいるのだ。 ――モウ、嫌ダ。 「助けて……。朔……夜……。」
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