第四話・麗しの皇子様

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「……はい?」 「ちょ、ちょっと何よ、その惚けた顔はっ!」  詩姫はさらに顔を真っ赤にして、朔夜の頬をひっぱたいた。 「詩姫のすぐ叩く癖は治した方が良い。」 「余計なお世話よっ!」  今度は朔夜の肩を掴んでがっくがくする詩姫。その様子を見守る美風と優里は、途中ではっとしたように顔を見合わせた。 「詩姫様、もうじき帰らなければ。」  突然急かす二人に詩姫はキョトンとして、首を傾げる。 「何?何かあったの?」 「もうすぐご帰還約束を過ぎてしまいます。」  優里が伝えると詩姫もはっとして朔夜を離した。 「詩姫、どういう事?なんか過ぎたら、怒られんの?」 「ううん、心配はされるけど怒られはしない。唯、面倒臭いのが来るの!」
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