第一話・偽りの幸せ

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「ちょっと、何処行くつもり?」  朔夜の背後から可憐な少女の声がした。 朔夜が振り返るとそこには超がつく程の美少女がいた。 長い髪を高くサイドテールで冬服の制服に、かなり膝上のミニスカート。 あれスカートってこんなに短かったっけ?というくらい。 「詩姫。」 詩の姫と書いて、しき。崎雪詩姫はむっとしたように、朔夜を睨みつける。 「美術部に行こうかなと思ってさ。」 「まだホームルームがあるじゃない。」 「面倒臭い。」 朔夜がだるそうに言うと、詩姫はむっとしたように口を開いた。が、その前に朔夜がふと提案した。 「一緒に行く?」 「……!?」 詩姫は開けた口をパクパクさせて朔夜を見た。そして「しかたないわねっ」と呟いた。 「ちょっと待ってて、鞄取ってくるから……。先行ってたら怒るからね!」 「はいはい。」 「はい、は一回でいいの!」 詩姫は怒ったように、しかし小さく鼻歌を歌いながら去っていった。
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