三次。

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いのーえは一日の大半を僕ん家のベッドの上で過ごしている。というのも僕がいのーえを痛め付けて縛り付けて動きを封じてるから。逃げ出そうにも足枷が邪魔をして逃げ出せへん状態やし。多分いのーえは諦めてる。逃げ出すことを。僕はいのーえの歪んだ表情がすきや。あのなんとも言えない顔。たまらん。それを伝えると、うっすらと笑みを浮かべ、へんたい。なんて呟いた。その後呟いておった言葉は小さすぎて僕の耳には届かなかった。 いのーえ。いのーえ。僕のいのーえ。愛おしいいのーえ。手放さない。何があっても。絶対に。狂ってしまった僕。ごめんないのーえ。ほんとはいたぶるつもりはないんです。ほんとはただただ愛したいんです。 すきやすきやすきや。 「いしだ」 なん?可愛くて愛おしい僕のいのーえ。 「こっち…来て?」 僕の顔色をうかがいつつ言ういのーえ。ああ、いつからあんな顔をするようになったのだろうか。(僕のせいってことはたしかやけど) 珍しく抱きしめたら、耳元で。いのーえは。 「俺をころして。そんでいしだもしんで?」 そんなん言うてええのん?僕ほんとにころしちゃいますよ。ええの?ほんまに、ええの? いしだにやったら、ええ。 聞こえた返事に思わず顔が綻んだ。 せやったらいっしょに しんのぞうを貫きましょう
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