仲間との絆

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「……っぐ」 本当は抓られた頬が赤くなっているだけなのだが、尊は妙に変な気分になって何も言い返せ無かった。 舌打ちをして、視線を逸らす。 「……もう戻れねぇよ。オレがクロオオカミだってばれた時点で、あいつらはオレのこと受け入れねぇだろ」 「なんでそうなんだい? あの子達は待ってるって言ってたじゃないか。なんで素直に聞き入れないんだい?」 「クロオオカミだぜ? 人間からも妖怪からも嫌われて、殺戮を繰り返すどうしようもねぇ妖怪だぜ? そんなの誰が受け入れるかよ……」 自分を嘲笑うようにしながら言った尊の言葉に、翡翠は目を伏せた。 事実、尊が殺戮を繰り返して来たことに間違いは無い。 だが、 「それは使命だからだろ? アタイも紅も知ってるよ? あんた、殺した後しばらく一人でフラフラして、自分を何度も傷付けてたってこと」 「…………」 「自分の体がぐちゃぐちゃになるぐらい傷付けて、でもそんなのはすぐに治っちまって……でもまた本能で全てを壊して自分を傷付けて。あんたが苦しんでたのは知ってる」
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