仲間との絆

5/25
前へ
/949ページ
次へ
本能には逆らえない。 それは狐白と同じ。 本能が殺せと囁けばそれに従い、助けろと言えばそれに従う。 嫌でも体は勝手に動いてしまう。 本能だから、それに従っている時は楽しくて仕方が無い。 だが全てが終わった時に感じる虚無感と後悔。 何度も自分に絶望して、それでもまた繰り返して。 「でもオレのやったことは消えねぇ。何百年経っても、消えねぇもんは消えねぇ……」 「そう思い込むのがあんたの悪いとこさ。なんでそんな態度取っておいて、そんなに繊細なのさ。矛盾してるよ?」 「でも事実だろ? 今でもオレを嫌う奴は大勢いる。それが事実だろ? 今回だって、必要以上にやっちまった……」 本当に難しい性格をしている。 でも彼が翡翠とこれほど話すのは初めてのこと。 こいつもなんだかんだ少しずつ変わってんだな、と思いながら翡翠は言う。 「あんたね、思い込むのを止めた方が良いよ? 狐白の坊やもあの女の子も、ホントにあんたを頼りにしてる。無関係のアタイが言うくらいなんだから、本当だよ」
/949ページ

最初のコメントを投稿しよう!

720人が本棚に入れています
本棚に追加