仲間との絆

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「私はクロオオカミ。全てを無に返す……と、言うよりも今回は破壊する、と言う形になりましたが、その力を所持する妖怪です」 「うん、そうだよな」 「でもあなたはその逆。つまり、破壊されたものを元に戻す力を持っています。それを使って、館を元通りにして欲しいのです」 その言葉に狐白は驚愕した。 自分にそんな力があるなど、今まで知らなかった。 やはり尊の方が自分に詳しい。 「マジか? 俺、そんな力持ってんのか?」 「ええ、そうですよ。知らなかったんですか?」 問いに頷いた狐白に尊は苦笑した。 まあまだ赤ん坊同然だから仕方ないか。 自分の使命もついさっき気付いたらしいし。 「じゃあ、お願いしますね。戻れ、と強く念じれば戻るはずです」 「おう、わかった!」 狐白はそう答えて尊達と一緒に壊れた館に向かった。 燃え尽きた館は、ひどい有様だった。 もはや原型が分からない。 巨大な館はほぼ全壊に近い状態で月夜に曝されていた。 「……お前、これやり過ぎだろ……」
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