四大妖怪

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「え? アタイの? アタイのはここにあるよ?」 「姉ちゃんって……紅の 姉ちゃん」 空いている方の手で自分の胸を指差した翡翠に、狐白は呆れながらそう言った。 言われた翡翠はあぁ、と言って苦笑いし、改めて狐白の問いに答える。 「紅の核……分からないんだよね。命の核を感じ取ることが出来るアタイと尊でも、全く検討がつかないんだ。もしかしたら、もうこの世には無いのかもしれないね……」 「……ふぅん」 狐白は頷いて、彼女に引っ張られながらぼんやりと空を見上げた。 「に、してもやっぱりシロキツネってすごい! 満月なのにこんなおっきな館を元に戻しちまうんだから」 「え? あぁ……言われてみれば……」 「妖力も、人間に近付いてるせいでだいぶ不安定なはずだろ? 体に負担はないのかい?」 言われて狐白は自分の手を見つめた。 「不安定……だけど、妖力は強くなってる。確実に」 「不思議。人間に近付いてるのに? ……もしかしたら、力が圧縮されて濃度が濃くなる感じなのかな?」 翡翠は片手を顎に当てながら、少し考え込む。
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