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「でも尊もそんな感じだったなぁ。あれだけ膨大な妖力、消せるわけないしね。って言うより、妖怪から妖力取っ払ったら死ぬしね。そんな死因、聞いたことないけど」
「でも、尊のヤツからは妖気も妖力も全く感じなかったぜ?」
「それはあいつが人間だからでしょ? でも、妖力があるのに妖気を感じないのは不思議だねぇ。起きたら聞いてみようよ」
悪戯っぽく笑った翡翠に、狐白も同じような顔をして頷いた。
「妖力を圧縮させるなんて大変だろうなぁ。アタイはしたくない。極限まで圧縮させたら、きっと解放した時に大爆発するんだろうな……上手く扱わないと」
「じゃあ今回の尊は、上手く妖力を扱えなかったってことか?」
「多分ね。もしかしたら、あえて、だったかもしれないけど。あいつが倒れるんだもん。無茶したのは事実さ」
話ながら歩いて行くうちに、紅が安置されている部屋が見えて来た。
屋根を失ったり壁が崩れたりと、あれだけ大破していたのにすっかりと元に戻っている。
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