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「はは、飛び出てる! 可愛いねぇ」
「う、うっせぇな……」
すぐに引っ込んだが、翡翠にからかわれて狐白は顔を真っ赤にして自分の頭に触れた。
「ふふ……んで、生き返らせて欲しいのはこの人さ」
翡翠はそう言って、その場で手を叩いた。
その瞬間彼女の足元の空間が歪み、何もなかった場所から横たわった神主が現れた。
「うおっ!? びっくりした……。てか神主、死んじまったんだ……」
「そうなんだよ。だから生き返らせてくれないかねぇ。今紅を守ってくれてんのは、このオッサン一人なもんでさ」
「オッサン……」
狐白は翡翠の言葉に変な顔をしながら軽く肩を落とし、それから彼女を見上げて問う。
「でも俺、そんなこと今まで一度もしたことないし……どうせなら満月の日じゃないほうが良いんじゃねぇ? 新月の日の方が……?」
そこまで言うと狐白は少し考え込み、顔を歪めた。
「てか、姉ちゃんが自分でやりゃ良いだろ? 姉ちゃんもその力持ってるはずだ」
「アハハ……バレた?」
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