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「尊、無理しなくて良いんじゃない? 楽なキャラでいきなよ」
無視されるのは日常茶飯事。
そこはスルーして尊にそう言うと、彼は変な顔をして彼女に目を向けた。
「嫌です。あなたの言うことは聞きたくありません」
「……あっそ」
冷たい言葉に翡翠は肩を落とし、呆れてため息をついた。
肩を落としたついでに椿の袖を引っ張り、彼女の耳元でささやく。
「あいつ、アタイにいっつもあんな態度なんだよ。ヤなヤツだろ?」
「あはは……」
椿は一応苦笑いしたが、彼女と彼、仲が良いのがよく伝わってくる。
「うあ~! よく寝た!」
「あ、坊やも起きた」
「……ん? あれ? 俺いつ寝たっけ?」
とぼけている狐白に三人は苦笑して、翡翠が全て説明してやった。
とにかく狐白も尊も無事でよかった。
四人は畳の上に円を描くように座って、少しの間雑談をする。
「でもよくよく考えると、尊がクロオオカミってなんか想像出来ねぇな……」
「何故です?」
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