四大妖怪

27/28
前へ
/949ページ
次へ
尊の言葉に狐白は顔を歪めながらツッコんでから続ける。 「そこのじいちゃん、ばあちゃん、すっげー良い人でさ。俺のこと拾って、ずっと世話してくれたんだ」 「へぇ、よかったじゃん」 「うん。じいちゃん、ばあちゃんには子供がいなくて、俺はその……子供代わりだったらしい。何年かして、人間の格好になれるようになった時は、すっげー喜んでくれた」 へへ、と狐白は笑う。 あの時のことを思い出すと、胸の中が温かくなる。 「そう、十年くらいかな。二人に世話になったの」 「十年? 出てったんかい?」 「ううん、死んじまった。俺のせいで」 狐白のその言葉に三人は驚き、息を呑む。 椿が口を開いて、彼に問う。 「なんで? だって狐白はシロキツネだし、まだ子供だったんでしょ?」 「もともと、じいちゃんとばあちゃんが住んでたとこは妖怪をすっげー嫌う村から少し離れたところだったんだ。村の人間では無かったんだけど……村人が俺の存在に気付いて、押しかけてきたんだ」
/949ページ

最初のコメントを投稿しよう!

720人が本棚に入れています
本棚に追加