四大妖怪

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「ひどい話だねぇ、そりゃ」 狐白は一つ頷いて、滲んできた涙を着物の裾で拭う。 「じいちゃんとばあちゃんは、俺を逃がしてくれた。それで助かったんだけど……二人は、駄目だった。妖怪を匿ったからって、殺されちまった」 「…………」 「で、俺……それで人間になるって決めたんだ。じいちゃんとばあちゃん死んじまったけど、恩返しのために。二人に世話して貰ってる間からずっと、本当の人間になりたいって思ってたから」 そんな理由があったのか。 三人の胸の内には、その同じ言葉が浮かんでいた。 狐白はいろんなことを思い出してしまい、泣き出してしまった。 そんな彼の背中を尊が撫でてやる。 「辛かったですね、本当に……。でもその気持ちだけでも、お二人は喜んでいると思いますよ」 「……ん、ありがとう……」 「……あなたは、良い方々に恵まれましたね」 尊はふっと笑って、狐白から手を離した。 離された狐白はいつもの無邪気な笑顔で顔を上げ、こくりと頷いた。
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