出逢い

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生意気そうな“声”のするほうを振り返る。 そこにいたのは――― 一匹の黒猫。 やっぱり。人の声とは少し違うと思った。 「なに?ごめん聞いてなかった」 私は、黒猫に抑揚なく言う。 『拾え拾え拾え拾え拾え…』 「聴こえてるよ、”声“」 黒猫は少し驚いたように目を見開いた(ように見えた)。 しかし、ずいぶんと図々しい猫。 まあ、普通に猫に話しかけてる 私も、はたから見たらオカシイんだろうけど。 なら関係ないか、そんなこと。
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