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「お屋敷にお風呂がない…?!
なんて不衛生なのでしょう!!
医師の祖父がもうしておりました。
皆衛生を気にし無さ過ぎる、と。
強固な体であっても、不衛生にしておけば病魔に虫食まれますっ!」
今まで涼やかな笑顔か、無表情だった薫が怒りを露わにさせる。
土方は正直驚いた。
この娘…単なる箱入りのお嬢様ではないな。
そんな彼女を見ながら、ふうと一つため息をつき、面倒くさそうに彼女に現状を説明し始めた。
「お前さんの言うことはもっともだが…
なにせこの浪士組は出来て間もない。
会津藩預かりとはえい、まだまともな給金もいただけてねえ。
つまり、金がねえんだよ。」
情けない話、浪士たちは江戸から来たときの衣類しか持ち合わせていない物もおおく、腰につけた大小がなければ、浮浪者一歩手前のやつさえいる。
風呂などこさえる金などあるわけがない。
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