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軽快なメロディーに陽気な歌声。お肉コーナーにお肉コーナー。ハイ、俺は今スーパーにおります。
我が家には親がいない、故に献立は自分で考える。ちなみに両親は出張中。母も、父も。
俺が高校に上がるまでは遊牧民族よろしく全国各地津々浦々(?)を転々と回っていたが、高校進学を機に定住を決め、現在の家に。
いやまぁ別れとか別に平気だったけど、定住生活は確かに良い。
が、
こんな爆弾を持たせられる位なら、いっそ家なぞいらぬ!
「ねー晩飯なにー?」
もう一度言おう。家なぞいらぬ!!
「……聞いてんの変態」
「外でその呼び方は止めてくれ俺のハートがブレイク寸前」
「顔がブレイクしてるのに何気にしてんだか」
……大きなお世話だ。
生意気を言う我が妹は、俺の横でカートに寄りかかって暇そうにしている。
そう、定住を手に入れた対価は妹との共同生活だったのだ! クソッタレ!
高校に上がってから解放されたのも、高校生になれば妹をちゃんと世話してやれると判断されたからだ。
……畜生。
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