秘技、ロリコン隠れの術

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短髪で体はゴツく、身長も高い高校生……。 誰が見てもスポーツ系の部活に入ってるでしょと、勘違いされやすい俺だが、実はそうではない。 じゃあサークル? いやいや。 じゃあ道場? いやいやいや。 ――帰宅部ですがなにか。 「……なんでドヤ顔してるんだよ兄貴」 鬱に入ろうとしていたら、端からこんな声がかかってきた。 「あ? アレだよ。美顔トレーニング」 「キモ過ぎ笑えない」 ……テキトーに返した俺が悪いのは分かるが、流石にキモいというのは骨身に効く。 ほぼ俯せ状態なので、首だけ動かして見れば、そこには一人の少女――いや、腐女子がパソコンに向かっていた。 くりくりくりくりと、意味不明な螺旋を描きながら脇の辺りまで垂れる茶髪を揺らしつつ、こちらを見ずにあいつはキーボードをひたすらに打ち続けている。
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