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なーんてことを考えていたのが運の尽き。
まじまじと鏡を見る俺の顔面に、縞ニーソのドロップキッ……クッ!?
「――痛ッてェッ!」
「『痛い』のはお前だ馬鹿兄貴っ! なに鏡まじまじと見つめてんの!? マジキモいからッ!」
俺の手からすっ飛んだ鏡を拾い、我が妹はさっさと去って行く。
罵倒されるだけされて、何もできない兄貴というのも泣けて来るな畜生。
ああ、痛てぇ……マジ痛てぇ……俺自身も痛てぇ……。
と、頬を摩りながら再び立ち上がろうとしたとき、またもや視界に光るなにかが見えた。
床に落ちているソレは、どうやら黒のピン留めのようだ。
ああ、そう言えばあの鏡に何本か刺さってた気がする……多分。
とりあえず俺はそれを拾い、向かいの妹の部屋に投げ込むことにした。
兄は寛大なのだ。
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