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「寒いな…。」
10月の半ば、夏の残暑などどこかへ消えてしまったかのような寒さに、僕はどうしようもない脱力感に襲われていた。
帰宅中に見るはしゃぐ小学生、話し込む中学生、笑いあう女子高生、そしてリア充…なんであんなに元気なのかまったく理解できないね。つかなんだよリア充とか、まじ別れろよ。笑
まぁそんなことどうでもいい、早く家に帰って寝よう…。
いつもと変わらぬ道、いつもと変わらぬ景色、そしていつも同じ場所にある病院、見るのも飽きたな…。
ん?
「誰だあれ?」
そんな世の中に飽きてきた頃に、僕は出会った…これからの僕の人生を大きく変える、僕の運命の人に…。
その人は病院の二階の窓から外の景色をつまらなそうに眺めていた。
あんな綺麗な人この町に居たっけ?
僕はそんなことを考えながら、時間を忘れる程彼女を見てしまっていた。
ふいに彼女と目が合った。彼女は僕を見ると、微笑んだ。
「っ!!」
あまりにも不意討ちすぎて咄嗟に目を反らしてしまった。
可愛い過ぎる…。
見ていたのバレたか?バレただろうな。いや、もしかしたらバレていないかもしれない。
でも笑ったよな…。
僕はもう一度彼女がいた場所に目を向けていた。
彼女は居なかった。
いや、正確にはカーテンが閉じられていた。
もしかしたらただの幻覚かもしれないな。
僕はそんなことを考えながら家へと帰った。
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