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なぜかその人は俺の名前を知っていた。
しかも「先輩」と言った。
俺と同じ学校なのか?
俺は全く分からなかった。
哉「あんた誰?」
俺が聞くと驚いた顔をして「覚えてないんですか!?」と言っていた。
俺は横に首を振った。
するとその人は一つため息をつき、重たそうに口を開いた。
「この前からマネージャーになった早瀬ですよ…」
俺はその言葉を聞き、彼女の顔をジーッと見た。
そういえばそうかも…
哉「…いや、悪い。顔覚えるの苦手で…」
蘭「いえいえ、あの定期ありがとうございました。助かりました。」
哉「どういたしまして。今度から落とすなよ?」
蘭「はい!」
哉「じゃあな」
俺はそう言って改札に戻ろうと歩きだした。
蘭「寅治先輩!」
後ろから早瀬に名前を呼ばれた。
振り向くと早瀬は俺のところまで走ってきた。
哉「どうした?」
蘭「…先輩、連絡先教えてください!今度お礼しますから!」
早瀬はそういって携帯を出した。
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