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表札を盗み見れば村崎と書かれている
「む、ムラサキさん…?」
「そう呼ばれるのは新鮮だなぁ。
もう、君はここにこないと思っていたから」
そう言ってへらりと笑い、隣を通り過ぎる
あまりにその動作は簡単で冷い。
「おいで。お茶ぐらい出してあげるよ」
はい、と小さな返事をして彼の後についていく
冷たい彼は私の一体なんだろう
どうして、私はここにきてしまったんだろう
ふわりと甘い線香の香りと
煙草の苦い香りがした
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