戯れ2

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『流石』 「計画性は大事、だろ?」 ヘラリと朕に笑う彼は人間の子供が自慢気にするみたいに無邪気。 でも何時もお隣に居る白いのが居ない。 『白が居ないね』 「あー、解除した」 『どうして。また?』 「俺もそろそろ潮時だ、後は彼奴自信に…息子に全て任せるんだよ。 それが掟だからな」 呟く様に言うと、彼は懐から煙管を取り出して一息する。勿論術で出したんだと思うけどね。ふぅ、と息を吐くと煙も一緒に吐き出される。 間を少しだけ置いて、朕は彼に近付く。 朕よりも背は高い。 「何だ、欲情か(笑」 『だとしても朕には靡かないでしょ』 「まぁな」 朕の頭をぽんぽんってする。 あ、子供が良く親にやられていたなそう言えば。て事は朕は彼にとっては子供って事でイイのかな? 面白いなぁー そう言えば朕は彼は知っていても名前は知らなかったなぁ。<月の遣い人>そう答えるだけで名前は教えてくれなかったっけ? 『ねぇ、名前』 「ソレ聞くのか」 『教えて? 君の名前、月の遣い人の名前』 面倒くさいそうに眉間に皺を寄せると、朕から離れた。 「俺の名前なんざ聞いてもどーにもならねぇよ。国を捨てた酷い野郎だからなぁ、俺」 『へぇ』 「じゃーな、黒」 そうして、彼は朕に背中を向けて進んで行った。まだ暗い真っ暗な影に消えて。 でも一つだけ解ってる事が朕にはある。 彼の匂い。 簡単に言うと甘い匂い。人間が持ってる匂いで、その中でも甘い匂い。朕はその人間を彼ともう1人知ってる。 彼と同じ髪色で彼よりも華奢な人間。 そうだ、カゲツがお世話になってっるって風の噂で聞いた。勿論見たこともある、だから匂いも覚えてるの。 『水無月』 羽根を出す。 漆黒の朕自慢の羽根。 さてさて、ちょっとだけお散歩でもして来よう。 〈今宵月は美しいよ〉
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