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中学2年の夏、私は担任と学年主任、
養護教諭に呼び出され、
精神保健センターで
テストを受けるよう
勧められた。
腫れ物を見る目。
その当時の私は、
眼球には異常がないにも関わらず、
視界から色が消え、
モノクロにしか見えなくなっていた。
耳に異常はないのに、
聞こえるものの距離感がおかしくなっていた。
悟られないよう振る舞っていたけれど、
見抜かれてしまっていた。
私は頭を下げた。
「センターには行きます。ただ両親には、言わないで欲しい」
家族は気づいていない。
落胆させたくない。
最後には泣きながら
頼み込んだ。
「治るかもしれないんですよね」
それならば、
知られたくない。
家族には。
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