発病

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週に二回、精神保健センターに通った。 あらゆるテストを受けて、 聞かれれば何でも話したつもりだった。 翌年には、それが特別外来に変わった。 制服を着ているのは 私だけだった。 私は両親に付き添われた幼児たちと共にソファに座って、 絵本を捲った。 憐れみと好奇の目。 私はもう、電車に乗ることも ままならなくなっていた。 何度薬を変える気だ。 ちっとも効いてはいないじゃないか。 私は今まで出来たことが、 半分も出来なくなってしまったのに。 家に帰れば争いが待っている。 指が痺れて字が上手く書けなくなった時、 私は外来の受付で蹲り、 声を出さずに泣いた。
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