一話め。始まりはバツゲーム

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一話め。始まりはバツゲーム

騒がしい教室の中。 今は休み時間。 高校生という職業柄、俺達は狭い教室という四角に詰め込まれて、何時間も固い椅子に座っている。 それで綺麗なねーちゃんが目の前で踊っているっていうなら喜んで何時間もいるんだが。 何が有難いのか解らんご鞭撻を大人達から聞かされる。 円の面積だとか式の展開だとか、一体何の役に立つやら……。 そんな退屈を吹き飛ばすように休み時間は仲間達と思いっきり遊ぶ。 教室の、それぞれの仲間達が好きなように大きな声で笑い、騒ぐ。 俺が一番好きな時間で、一番楽しい空間。 そんな楽しい中で、たった一人だけ。 笑顔を見せていない少女が居たのに気付いたのは。 小さな悪ふざけがきっかけだった。
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