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…微妙な空気のまま、
あたし達は三階の雑貨コーナーに到着した。
すると、瀬名はあたしを置いて、すぐ近くの店内に入っていく。
そこは全体的に白黒の色の商品が並ぶ、シンプルで大人っぽい店だった。
「なんかモノクロトーンが好きな純にピッタリな店だねぇ」
「なぁ、コレでよくね?」
「…無視かよ。あ、コレ?」
ショーケースを見ていた瀬名が見つけたのは、黒色で細身の革ベルトに銀の金具でシンプルなデザインだけれど万人受けで雑誌やSNSで流行りのブランドの腕時計だった。
「いつも純は携帯忘れてさ、時間把握出来ねーから」
「あぁ…言われてみれば。
それに、純は本読み出すと周り見えなくなるしね」
「ま、お洒落として付けても良いデザインだしな」
「あ…アラーム付きだって」
「はい、じゃあ決定ー」
え、即決!?
…まぁ、いいか。
他に見るの面倒くさいし。
そう思ってあたしは、レジに向かう前に商品を手に取って、値札を確認する。
…って、え!?二万円!?
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