黒ノ謳

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私の側には無口な家来 彼は2歳年上らしい 行動、仕種まるで犬 『ひざまずきワンと鳴け』 そう伝えれば鳴くかしら? ある日国全体で鬼ごっこ 民は皆私の為の玩具(オモチャ)なの さあ駒よ捕まる前に逃げなさい 私の犬が噛み付くわ ある日は女子供で宴を企画 退屈させれば打ち首よ 私の犬は監視人、用無しは 鼻を聞かせて探しあてる 私の側には無口な家来 彼は身内がいないらしい 悲しい表情は浮かべない 『姫様こそ私の全て』 地に膝つけ靴へと口づけ ある日私は隣国の王女の 従者に気付かぬうちに恋をする 何が何でも手に入れなさい 私の犬は頷いた ある日私の可愛い犬は 愛しい人を連れてきた 同時に領土も手に入れて 今日は犬が好きなご褒美を 私の側には召し使い 反対側には一匹の犬 愛しい人をはべらせて 『貴方はもう必要ないわ』 犬の耳元で囁いた ある日の国のとある場所 捨て犬が声あげ鳴いたらしい 差し出された幼き少女の手 犬は飼い主を見つけたみたい 私の側には誰もいない 犬も彼もいなくなり たった一人のお姫様 声を聞き付けやってきたのは…?
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