黒ノ謳

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深紅の刃は 紅葉(コウヨウ)の如く ひらりひらりと身を踊らせ 蜜を散りばめば 至福なり 先刻鳴いた三角耳は 今や形も残しやせんと 転がる丸は次々頭を傾けん 輪廻辿消と さ迷う命 望む先は いずこやと 手招く闇の 懐へ 已(イ)叭丹(ニ)捕(ホ)ヘ人 塵行く我が身 さあ、手を伸ばせ 一緒に遊びましょう 幾度と結ばれ円となり 回るば廻る 青白髑髏(サレコウベ) はラはラ屍 ホろホろ泪 ヒれヒれ幻 はレはレ現 かごめかごめと 紡ぐ唇 後ろ正面と 紅色(ベニイロ)染めして 小さき椛(モミジ)を 離さんと 短い茎を絡ません 黒髪少女 敷いた花道 荊に絡む 肌色若葉 逆三日月に 指這わせ 乞う願いは なんぞやと 群れなす烏の 言葉遊び 已(イ)叭丹(ニ)捕(ホ)ヘ人 血無しの我が身 嗚呼、手を伸ばせ 一緒に行きましょう 幾度と突かれ平となり 打たれば討たる 青白髑髏(サレコウベ) ハらハら屍 ほロほロ泪 ひレひレ幻 ハれハれ現 三角耳が目を醒ます 揺らぐ惡は 捧げ物 最期に醒めるは青白髑髏(サレコウベ) 三日月浮かべ語りだす ****ハ****也。
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