黄ノ謳

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昔王女と呼ばれた私 いつも側には彼がいた 生を受けたその日から 一緒の時を過ごしたの 私が愛した王国は ある暴動で崩れ落ち 廃墟が並ぶ大地になった 裏で糸引く隣国の 王女が狙うわ恋し彼 奪うために火を放つ たどり着いた先は崖 進むも戻るも出来ない私 彼はローブ羽織らせこう言った 『逃げる時間をかせぎます』 川に向かって行く体 最後に聞こえた涙の言葉 『また会えるまで』 私の目が覚めた時 見えた世界は森の中 繋がれた手の先幼き少女 あなたが私を助けたの? 何も聞かない優しい彼女 私に色々教えてくれた 彼女が私を望むなら 一緒に生きていきましょう 昔王女と呼ばれた私 いつも側には彼がいた 生を受けたその日から 一緒の時を過ごしたの ある日街に出掛けた時 目の前には長きにわたり 願った貴方 知らぬ顔して去っていく 私を忘れてしまったの? また会えると信じて 街へと足を運んだ 彼の代わりに見つけたの 弱り切った犬と呼ばれた召し使い 一度は狙われた命 今は彼を救える唯一の命 貴方が私を恨んでも 心に届くの悲しい鳴き声 昔王女と呼ばれた私 彼を助けたその日から かつての民に思い馳せ 武器を片手に立ち上がる 今度は私が助けるわ 光生み出す神の歌声(メロディー) この声貴方に聞こえてる? 約束守る秘密の歌よ 紡ぐはかつての王女様 優しき歌声全ての民に 解放与える導きか 運命変える惑わしか
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