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「葉月、こんなに実力を持ってる子を埋もれさせちゃうわけ?」
「う、いや、けれど……」
「それにさっ。うちの学校に来たってことは、強くなりたいんじゃないかな?」
「ケイ」さんはそう言って、私を振り返ります。
いきなり話をふられた私は少し焦りましたが、
「あ、えと、は、はいっ!!この学校が強いって聞いてたので入学しましたっ!!」
と、きっぱり言いました。
「ほら、ね」
「う、いや、でも………」
「他のみんなはー?」
ケイさんは、他の部員に同意を求めます。
「俺は、別にかまいません」
「オレもー。つか、大歓迎!」
「女だぁーーーッッッ!!」
「女子ならなんでもよし!」
「たとえチビ………ぢゃなくてよ、幼女でも!!」
最後のヒトはチビと言いかけて(すでに言ってるけど)、私の上段回し蹴りを思い出したのか、言い直しましたが………幼女ってかなり失礼ですね。
まぁとにかく。
賛成派の方が多くて、一安心です。
「じゃあ、いいよね」
ケイさんは、にっこり笑って「葉月」と呼ばれたイケメンさんを黙らせます。
「ち、ちょっと待……」
イケメンさんの最後の抵抗も空しく。
「ヨロシク、『幼女』ちゃん」
からかう口ぶりで、握手を求めたケイさん。
私は、手を握り返しつつ、叫ばせて頂きました。
「戸崎 神無ですっ!!よろしくお願いしますっっ!!!」
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