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『居場所』
目を閉じると闇の中をゆっくりと墜ちて行く感覚。
何も見えない、何も聞こえない暗い暗い闇の中をゆっくり墜ちていく。
目を開ければ見慣れた風景が広がるだけ。
それは何の代わり映えのしない世界。
着替えをして通いなれた学校へと通う。
学校に私の居場所はない。
居心地の悪い教室で過ごす休み時間は苦痛でしかない。
そんな学校でも私が心を唯一許せる場所がある。
それは今は使われていない空教室。
私以外誰も訪れないこの場所は私のお気に入り。
座り慣れた埃の被った机に腰掛けてゆっくりと身を委ねる。
何ともいえない安心感に満たされて眠りにつく。
いつもの時間に鳴る最終下校を告げるチャイムを目覚まし代わりにしている。
そして、夕日の差し込む教室を一人後にする。
いつもと変わらない日常を私は今日も一人で生きて行く…。
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