無名のアナタと私の関係

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『風とアナタと共に』     風には匂いがある。   雨の前には雨の匂いがする。   海沿いの風は潮の香りがする。   目に見えない風。   風はどこで生まれてくるのか。   風はどこへ向かうのか。   行き着いた先で何を見るのか。   立ち止まったままの私には分らない。   私より先を行くアナタになら分かるだろうか。   私もアナタに追い付けば分かるだろうか。   背伸びをしたってイイと思った。   急いで転んでもイイと思った。   再び立ち上がって前を向きさえすればいいはずなんだ。   この場に立ち尽くしているよりもずっとずっと…。   いつかたどり着く見知らぬ土地へ私はアナタと共に行けるだろうか…。
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