楽屋にて

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「なになに~?最近2人、仲良しじゃん! あたしも入れて~」 紙コップを片手に、優子ちゃんが指原達の間に無理矢理座る。 「え…優子ちゃん!ダメですよ~」 「なんでー、仲間外れはよくないっ」 「ほーら、ゆうちゃんっ 陽菜がさっしーにくっついてたいのー」 「「え…」」 優子ちゃんも指原もビックリしているのは同じ。 でも指原は嬉しさのほうが多くて、優子ちゃんは悲しみのほうが大きいはず。 涙目のまま、優子ちゃんは右手に持ってた紙コップをぐしゃっと握り潰した。 「そっか、付き合ってたんだ。 なんか…ごめんなさい」 「あっ、優子ちゃん…」 楽屋を飛び出した優子ちゃんを追い掛けようと立ち上がったけど、右手を捕まれ振り返る。 「こじはるさん…」 「陽菜だって辛いけど、こうするしかないの…っ あとで話すから今は一人にしてあげて」 「そう、ですね…」 震える手を握りしめ、また大人しくその体に寄り添った。
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